楽しい職場環境を作ることは今の時代に合わない?

日系企業で9年間みっちり指導を受けて仕事を覚えました。最初の2~3年は体育会系のノリで様々な雑用を行い、月に一度は所属グループ内で飲み会参加が必須でした。厳しく暖かい指導で、顧客にも誠意を持って接することを現場で叩き込まれました。

 

次に転職した外資系企業は、肩書きでなく「さん」で呼び、欧米人のマネージャーからはさすがと思わせるスマートなマネジメントを現場で学びました。特にメールを使った社内での駆け引きは面白く、海外ドラマのようでした。ただ、日本の顧客が要求する製品投入スピードに合わず、堪らず本国本社に出張してもほとんどの社員が定時で帰宅しているマイペースさにどちらの生き方が正しいのか、疑問を感じたことはありました。

 

その後何年か日系企業で過ごした後、また縁あって同じ外資系企業に戻ってきました。しかし合理化で欧米人マネージャーはいなくなり、ほとんど日本人マネージャーだけの職場になっていました。

ほとんどを協力会社に業務委託し、管理職は強圧的リーダーシップ、つまり強引な駆け引きが得意な人が協力会社に指示をし、現場に関わるのは問題が発生したときだけになっていました。部下の指導はほとんど行わず、自己完結型の業務をテキパキとこなし顧客対応も自信ありげにブレなくできるエリートです。

 

しかし、現場は質の低下に伴い問題が発生し、顧客に説明するため急遽再発防止策が提案されます。それによりますます現場の仕事が増え、現場の士気が落ち、暗い職場になります。

 

なんとかならないかと幹部に相談しましたが、合理化で正社員もリストラを繰り返している現状では無理だ、とのこと。協力会社に指導しても下請け、孫請けからの派遣社員でプロジェクトが終われば解散の現状ではあまり効果が期待できない。顧客が要望する質に見合う対価がもらえなくなっているのでこのままで無理を続けていくしかないようでした。

 

今度はコンサルをしている知人に聞いてみました。昔は草の根活動をしている現場の有志や会社間の連携もサポートしていたが、最近は成果を出すのが難しくなり、部課長以上の活動をサポートしているとのこと。別のコンサルの話では、相談を受けたきっかけは売上向上でも、職場環境の改善に熱心なのは小規模の会社だけだそうです。

 

昔を懐かしむわけではありませんが、'90年代後半までの日本企業は、現場で人材育成を行い成果を出しました。人口ピラミッドに助けられ年功序列の理想的な役割分担の中で実戦の中で経験を積めました。その現場を知っているのは今の50才以上の人達です。残念ながら今の40才前後の人は教材となる良い仕事も少なく、指導してもらう良い上司や先輩もリストラされ、経験を積めずに管理職になった人が多いようです。彼らの言う言葉は地に足が着かず机上の空論であり協力会社に陰で馬鹿にされながら、何とかプロジェクトは進んでいますが、業務の質は年々低下しています。

 

この状況を改善するには、協力会社や現場と一緒になってポイントを抑えた工夫が必要です。順を追ってその方法を説明します。