自律型組織とは?

自律型組織がそんなに大事なんですか?

職場環境を改善するために個人コンサルタントが売りにする文句で、「自律型組織をつくる」とか、「目標を定めず個人が自由にのびのびと仕事ができる環境をつくる」とかあります。規模の小さな会社の2代目社長などを対象にしているようです。

いろいろやってみて本当に困って藁にもすがる気持ちでコンサルに頼られる場合もあるのかと思いますが、従来からある当たり前の手法を強調して売りにしているだけな場合が多いようです。間違っているわけではありませんが、必ずしも特効薬ではなく、成果を継続的に出すにはそれなりのスキルや覚悟が必要と思います。

「自律型組織」の反対は「ピラミッド型組織」でしょうか?

何でピラミッド型がいけないのでしょうか?上司が年功序列で威張っているから?

上から指示されたことしかやらないから?

そんなものは、組織運営がうまく行っていないだけであって、組織図を書き換えても本質は変わりません。(組織機能の方が重要です。)

フリーディスカッションの場を設けて、社員が不満をぶちまけ幹部が改善していこうと言ってくれたとしても、飲み会よりは少しマシで、精神的ガス抜きの機会程度の効果しかありません。


以前あるプロジェクトで現場作業を担当した会社の例です

前年のプロジェクトでたくさんの資材を紛失したため、今年のプロジェクトが始まる前までに、管理体制の見直し施策を行うことになりました。協力会社の幹部が改善策を検討していたのですが難航し元請け会社(私が所属した会社)への回答期限期限が迫ったため、私が陰でアイデアを出し改善活動がスタートしました。しかし、現場のトップである所長が、後は自分達だけで運営したいと言ったため私達本社側との連携が少ないまま始まりました。


協力会社だけの活動は私が説明した流れに沿って進みました。現場社員をいつくかのグループに分け、それぞれの業務に対する自由なディスカッションを行い、業務フローの可視化、問題点/課題の洗い出し、改善策の検討を行いました。最後の成果発表会の見学は許可をもらいましたが、みんなイキイキと、「こんな機会が欲しかった」と喜んでいました。


4月になり、いよいよ新しプロジェクトがスタートしました。前年の失敗の反省から、4月だけは協力会社にほとんど常駐に近い形で状況を見守り、毎月棚卸しをすることにしました。始めてみると前年ほどではありませんがやはりオーダーに変更があった場合は1~2割はミスが発生していました。孫請け会社との連絡ミスも多発しています。改善活動で洗い出した問題点で根の深い問題として課題のまま残っているものからのミスです。6月になり組織変更や人事異動があり、さらに改善活動の遺産は少なくなってしまいました。プロジェクトの終わった翌年には、人々の記憶として残ってはいるが、現場で生きているものは皆無と言っても良い状態です。応用力をつける形の活動ではなかったからです。研修を受けて感化されて現場に帰ってきても、実践、継続ができないことと全く同じです。


改善活動に関しては、お祭り騒ぎ的活動で現場社員の気を引いたまでは良かったのですが、その後の継続的成果を出すまでの定着化、人材育成や関連部署との連携による根深い問題への継続的個別対応、等が欠落していたからです。現場経験が不足気味の優等生的リーダーは、現状分析や課題対応への立派なプレゼンを作成し、優秀さをアピールしました。この組織の管理職全員が大企業病としか言えない状況で個人を責めてはいません。このリーダーはもっと以前に所属したA社と比べると非常に優秀で、短期間で良くも悪くもトータル的に良くやった方です。

でも本当に大切なのは、社内アピールでなく、現場にいるあまり優秀でなく、あまりやる気のない人達をいかに効果的に使い、いかに速やかに現状から一歩でも二歩でもいいので自発的に前進させるか、です。「脅し」、「褒め殺し」や「報酬」でない方法を使って。(脅しが一番即効性があるようで、一般化しつつあり嫌なんですが)


集まってみんながワイワイやると活気があって気持ちが良くなります。勤務時間外の貴重な時間を割いて集まっているのですから、実りあるものにしたいとみんな思っています。会社の目的と同じ方向に向かってみんなが自由なアイデアを出し合う、というのは素晴らしいことだと思います。しかし、継続的な成果を出すにはそれなりの工夫が必要となります。その場にいる一人一人の気持ちの集合体が組織です。同じ方向に自然に淀みなく流れていくようにするには、自己陶酔したり、暴走する個々の流れを読みながら先を見通すリーダーのかじ取りが必要です。

 

 暗い雰囲気より楽しい雰囲気でやった方が、

 絶対良いに決まってます。

 辛い経験が自分にプラスになる場合もありますが、

 楽しんで同じスキルを得ることも可能です。

 (それは、命令されてやるのでなく自発的にやることから始まる)

 個人でその環境を作るのは非常に難しいけれど、

 良いリーダーは自然に作り出せます。

 リーダーがやったと気づかれないように自然に・・・


リーダーに一番大切なのは「人の気持ちを察する繊細な心」です。

二番目は、「仕事の先を読む段取り力」です。

三番目は、「マネジメントに対する正しい知識と経験」です。