求められるのは、「質の高いプレイングマネージャー」

急に求められ出したプレイングマネージャー

’90年代後半から、

マネージャーに求められ出したのは

プレイングマネージャーです。

 

自ら率先して現場を牽引し

利益を上げ、人材の育成・指導も行います。

 

’急に求められるようになった理由は、

バブル崩壊後の景気低迷による人件費削減です。

 

それまでの管理職は

過去の業績への功労としてポジションを与えられ、

文字通り通常はイスに座っているだけで良かったのです。

非常時のみ客先への謝罪等で

活躍することで威信は保たれました。

逆にいつも現場にいる管理者が

上から注意されたぐらいです。「目線を上げろ」と。

 

それが’90年代から急に、

仕事が減って管理職が余っていると言われ出し

「普段役に立たない管理職はリストラ」されてきたのです。

 

目先の1~2年を乗り切るために経験者をリストラし、

また景気回復すれば中途募集すればいい、

という考えが当たり前になりました。

 

残された優秀な、もしくは上から気に入られた管理職は

プレイングマネージャーとして頑張り、

自らの頑張りを

部下にも強要せざるを得ない状況も出てきました。

 

普段役に立たない管理者を削減したことによる弊害

結果として、

熟練社員が流失し現場の質は低下しました。

 

また新人社員が

現場で学ぶことも減りじわじわと全体に質が低下し、

マネージャーは世代交代のたびに

スケールが小さくなってきています。

 

プレイングマネージャーの定義

(=自分もメンバーと一緒になって成果を上げる)

だけを指示され、

その役割をサポートする組織機能

新設されない状況で中間管理職は悩みました。

 

すでに経営層に昇格した人々は、

自ら新しい概念を

勉強させられることもなく

経営を維持することに多忙だったため、

この「取るに足らない些細な問題」

に気づけませんでした。

 

結果として、

巷に誤った解釈の

「優秀なプレイングマネージャー

が横行することになりました。

 

自己完結型の仕事を行い、

チームとしての成果を出す時に

強圧的リーダーシップを行使するのです。

 

人間としての経験の浅さによるEQの低さを

補うために仕方ない部分もありますが、

自分でそのコンピテンシーが劣っていると

認識していないところに問題があります。

 

人間的にも傲慢な性格に変貌し、

それがスタンダードとなり、

ますます組織がいびつになっていきました。

 

プレイングマネージャーに要求されるものは

プレイングマネージャーに要求されるのは、

自分のチームの目標を達成させることだけではなく、

チームの調和を維持し職場の雰囲気をつくること

(つまりEQの高さ)も必要なのですが、

その域まで達するには経験や訓練が必要です。

 

その目標とするマネージャー像や

目指す組織のイメージを共有されていないどころか、

できていないことも認識されていません。

 

 ・見える成果を出す

現場で手本になるような行動を

取った上で業績を上げます。

いくら業績を上げたり客先に融通が利いても、

悪い見本を示すようでは、

真の信頼関係は生まれません。

自らの現場経験を元に、

違った現場でも応用可能なスキルを

駆使し成果につなげます。

 

 ・部下を育成する

部下の業務進捗を把握し、必要ならサポートを

行い目標を達成します。

 

この作業は負荷がかかり

高度なスキルが要求されることから、

目標未達時に叱責することしか

出来ていないマネージャーが多いようです。

 

 人を大切にし、職場の雰囲気を良くする

ドラッガーの言う「真摯さ」と同じですが、

「正直であること」、

「誠実であること」、

他人を思いやること」

を自然に日々実践することにより、

職場の空気を浄化し、

そこにいる人達も良い方向に感化されていきます。

 

「真摯さ」の点だけ考えると、

リストラされた熟練者の中に優れた人がたくさん

居たと思います。

これ以上、有益な人を減らさないように

正しく評価されることを祈ります。

 

どうやって育成するか?

目の前に見本がないと難しいのですが、

その会社ごとに考える組織やマネージャーの

理想像は描けます。

 

そのイメージを共有し、

具体的なコンピテンシーを書き出し、

実践しながら作り出すことは可能と考えます。

 

一番求められているのは中間管理職ですが、

新人も、経営層も、目指すマネージャー像を共有し、

自分が出来ている部分と出来ていない部分は

正しく認識する必要があります。

 

そして、プレイングマネージャーの成長の過程において、

不足部分をどう補うかは

会社ごとに決めていかないといけない部分です。

事業部長の役割とするのか、

社長=全社横断的サポート組織を作るのか、等。

また、真摯さをどこまで重要視するかも会社の意志で

決めていくことでしょう。

 

コンプライアンス研修で、

「自分の子供をその管理者に任せてもいいと思うか?」

「部下との対応で、自分の家族が横にいても恥ずかしくないか?」

といった判断基準を教わりましたが、

同様に、

「そのリーダーに会社の将来を託しても社会的に恥ずかしくないか?」

を考えていかないといけないと思います。