A社における改善活動履歴(#4、社員だけによる改善活動)

社員だけの改善活動(2003年4月~2004年3月)

商品企画部門が主催で、開発、SE、営業、人事から参加者を募り、「商品企画&マーケティング」、「業務プロセス&情報共有」、「人&組織のマネジメント」の3つのグループで各グループ数名、計20人ぐらいが参加し、3か月間で、自分達で出来ること、やりたいことをまとめて発表会を行うことにしました。

 

基礎力アップの研修も企画 

・参考文献の読み合わせ

私はすべてのグループの集まりに参加し、ファシリテートしました。そもそも会議の方法が良くない企業文化だったので、主に活動メンバーを対象に基礎力アップの勉強会も別に企画しました。「会議の進め方」、「会議の議事録の書き方」、「PMBOK」、「パランススコアカード」等の書籍から抜粋したコピーを配り、読み合わせし、現場との比較をしながら現場にどんな問題があるかを議論しました。

 

・共通語を決める

また、メンバーの基礎力向上、共通の認識、共通の言葉を決める、ことも行いました。その会社の共通語となるであろう言葉を決めることは意外と大切です。今まで会話してこなかった、いや考えたことすらなかったことを考え、言葉として表現するのだから気恥ずかしさもあるだろうし、今まで使ってこなかった部分の頭も使うことになります。勉強会に参加した人達の感想は、私の予想通り「今まで使ったことない部分の頭がフル回転しているようで、非常に疲れた。でも楽しい。」というものでした。人の意見をしっかり聞き、自分が正しく理解できたか確認する、そして、共通の認識となったことを言葉や文章で表す、この作業を何回も繰り返し行いました。

 

ファシリテーションのスキルで書いた議事録

議事録作成については、この会社ではあまりセンスの良い議事録は書けてなかったので、商品企画に在籍していた「異能の人」というか、センスの良い人に実演してもらい説明しましたが、これは難易度が高かったようで他の社員に伝授することはできませんでした。この人は発言している人の意図を理解し、話の骨子を掴みながら同時進行で議事録を書きます。つまりファシリテーターと同じか、それ以上の理解力で会議の流れを理解しているのです。技術的なバックグランドはない人で、言葉や意志への理解力が非常に優れていました。その人に頼んで、議事録の目的を変えようとしたのです。今までの技術的な開発案件のキーワードやスペックの箇条書きのみ記録するスタイルから、会議に集まったメンバーそれぞれの意志を明確にし、最終的にどんな共通認識に落ち着いたのか。

 

・志の高い方に直接面会し、マインドを感じる

良く使うフレームワークバランススコアカード、7つの習慣、ドラッカーメンバーの意識を高める目的で、参考にした本の著者や関連テーマで商売しているコンサルにかたっぱしからアポを取り、直接会って相談に乗ってもらいました。

 

・勉強会の成果

意外と参考文献の読み合わせをメンバーでやったのが効果的だったように思います。順番に声に出して読み込むことで記憶に残り、みんなでその内容について議論することで、自分達の環境ではどうかを直に感じ取ることができます。そのうち、熱心に活動しているメンバー達の意識が変わり、言葉が変わりました。

 

マイナスの効果としては、勉強しているメンバーのみどんどん意識が進んで行き、勉強していないメンバーとの意識の乖離(かいり、=かけ離れる)は進んできたことです。(後で聞いたことですが)「あいつは人を洗脳するから気をつけろ。あいつの言葉に惑わされるな。」と一部の幹部の方が言っていたそうです。

 

肝心の活動は?

「商品企画&マーケティング」、「業務プロセス&情報共有」、「人&組織のマネジメント」の3つのグループで3か月間毎週水曜日の定時後とかに集まり2~4時間議論し、各自宿題を決め活動しました。

3つの事業部から活動リーダーを一人づつ選出し、問題点の洗い出しと対策を検討し、共通の大まかな問題点は下記の3つが挙げられました。

1:プロジェクトマネジメントとマネジメントのスキル不足

2:情報共有のインフラがない(プロジェクトマネジメント、業務プロセス、手順書、等)

3:オーナーシップを持った人材不足

6月にキックオフの会議、8月に中間集会、11月に結果発表会、12月に経営会議で発表しました。

役員達は問題点の列挙については同意しましたが、今後の進め方については何の意見も出ませんでした。

どこにコンサルを使って改善していくのか、 

 

[実は問題が山積み]

大まかな問題の絞り込みはできたのですが、実は細かなところでは解決策で落としどころが決まらず困っていました。つまりオーナーである事業部長がマネジメントの権限をどこまで受け持ち、どこから部課長に委譲するのか、曖昧なまま、勝手に参加メンバーが仮決めして進めていたのです。

 

また、「どこまでを予算を組んで自動化するのか?」や、「どこまで理想の組織に近づけスタッフを増員するのか?」は、随時経営会議で確認しながら進めるべきことなのですが、活動リーダーである役員の作戦で保留のまま勧めました。(途中で説明して刺激し中止にしないため) 

 

参加者も減り、特に人事部からの参加者はゼロになりました。(最初から多忙を理由に出席率は悪かった)

 

ボロボロの状態で始まった活動は、コンサルにサポートを依頼することにより起死回生のホームランとなることを私だけでなく、リーダーの事業部長も期待していました。