効果的な議事録の書き方(#1、ただの議事録じゃなくて実は「思考の可視化」)

質が低いA社の社内会議

A社の会議は、世間一般の常識から外れた、

非常にいびつな形になっていました。

エンジニアの会社、どこかの研究機関にいるような

院卒の人達ばかりなので、

技術的問題解決でよく議論が白熱しますが、

しゃべりたいだけしゃべり、

気がすんだら尻すぼみ的におしまいとなります。

開発者が一人で開発し、

それをサポートする協力会社を含む人達は、

割と決まったことをコツコツ進めるだけなので、

工程調整があまり重要ではないからです。

生み出す商品も、研究機関が多く、技術力がキモなのです。

商品の完成度や操作性でもないのです。

そもそもコンシューマー向けのように、

厳密に納期が決まっていない場合が多い。

ですから、ある意味A社の会議の方法は理に適っており、

「本当に重要な部分」=「技術論そのもの」が、

会議のキモとなる企業文化なのです。

普通の会社はそこまで自社で開発していないので、純粋な開発部門の

打ち合わせ以外は、発注先や業務委託先との工程等マネジメント的

打ち合わせが多くなってきます。当然会議の方法もこなれてきます。

 

マネジメントを定着させるには最悪な風土のA社で、

マネジメント研修をしたり、マーケティング研修の一環で部長30数名

が集まって、3C分析をして事業計画を作成したりする時に議論すると、

予想したとおり大変なことが起こりました。

話したい人が話し続け、周囲はその話を聞かず、次に自分が口を開く

タイミングをひたすら待っています。みんな、自分の得意な分野の

話がしたくてうずうずしています。

こうして、話は1週間でも2週間でも平気で脱線し続けました。

抽象度の高い思考を他人と共有することは難しいのですが、

A社の人は具体的施策ですらあまり共有しないので、

歩み寄りすらできません。

お互いが使っている言葉の意味の違いに、お互いが頓着せずに

かみ合わないまま会話は続いたりします。

ファシリテーターとして、軌道修正しようとしたのですが、

全く修正できません。

 

諦めて、話の流れを整えて、表面上元の会話とはまるで変って

しまった議事録をみんなに見せたのですが、返事は「それでいい」

とあっさり同意してくれました。

 

まずは、会議の質を上げるファシリテーションは諦め、

会議の質を上げる議事録を書くことにしました。

不明な点は休憩時間中に聞くことにして、

なるべくリアルタイムで会議の方向性を可視化共有することに

しました。

次のアクション等も勝手に書いてみて、本人に後で確認しました。

 

次にこれを手順書化し、同じ部署の地頭のすこぶる良い派遣社員

事務の女性にお願いして、プロジェクト進捗会議の議事録を書いて

もらいました。

プロジェクトリーダーにも好評で、その後の会議でも依頼が来る

ようになりました。

(続く)