部下の育成の目的で仕事を任せる

部下にマネジメントのOJTとして、

一緒に仕事をしてやり方を覚えてもらい、

次回からは一人でやってもらう方法をとっていました。

 

こう書くとどこでもやっている当たり前のことなのですが、

ルーチン業務がなく、問題解決とリスク回避の連続の

プロジェクト型の業務では、

指導することはかなり難しくなりますし、労力も割きます。

個人の個性もかなり影響し、向き不向きも出てきます。

昔の私の部下のAさんとBさんの例で説明します。

 

Aさんは指示した通りの仕事を真面目にやりますが、

プライベートを大切にしたいタイプです。

海外本社の工場データの再現性を日本で確認するため、

特定数のサンプルデータを約1か月かけて取得していました。

 

何か問題があるかもしれないので、あまりデータを溜めない

内に分布を分析するように毎日注意していたのですが、

もう少し溜まってから一度にやる、との回答でした。

 

ある日、嫌な予感がして、とにかく簡単に分布カーブだけ

でも出してくれ、と出してみると、

ある日を境にデータが変わっていました。

慌てて測定器や環境を調べてみると、接続ミスが見つかり、

数日分のデータを取り直しになりました。

 

仕事の仕方を説明しながら、ここはリスク回避の点で重要、

と説明したつもりだったのですが、

自分の仕事に置き換えて想像する「想像力」が不足して

いたのか、まさか自分にはそんなことは起きないだろうと、

楽観視していたのか。

 

その後、一緒に2晩徹夜して何とか期限に間に合わせました。

Aさんはこの件だけは骨身に沁みて懲りたようですが、

それからも、高度なリスク回避はやはり苦手でした。

 

次はBさんの場合です。

Bさんは新入社員ですがもの覚えが良く、

何にでも積極的なので、私と一緒に本社に海外出張し、

仕事を覚えてもらうことにしました。

 

旅費が余分に必要になるので、事業部長に以降の海外出張は

どちらか一人で行けるようにするためのOJTと説明しました。

 

海外本社のキーマンに紹介して回り、仕事の進め方、リスク

回避のためにどんな懸念事項があるか、

等かなり難しいことも説明しましたが覚えは良く、

2週間の滞在期間の後半では、一人で動き回れるように

なっていました。

 

帰国後も本社開発者とメールでやりとりし、

どんどん精力的に仕事を進めて行きました。

最後の詰めである問題が発覚し、その解決に時間がかかり

関連部署に迷惑がかかりましたが、なんとか完了しました。

 

その問題の兆候はかなり前に分かっていたのですが、

Bさんが問題と思わず、私に報告しないでいたようです。

もし、Bさんがすぐに報告していたら未然に防げたのですが、

この場合は微妙ですが経験が不足しているBさんに

落ち度があるとは思えず、注意もできない状況でした。

 

その後は、日々のミーティングで細かく状況を聞き取り、

懸念を感じた点を確認するようにしました。

 

Bさんは精力的に仕事をやり、一人でどんどん進めて

いきました。元々優秀なので大きな問題も起こさず、

私が退職した何年か後、そのグループのリーダーになりました。

 

生真面目に指示を守るが、高度なリスク回避はできないAさん、

優秀だが、なぜか心配なBさん、

 

それぞれの適性に応じて指導方法を変えて対応しましたが、

基本は、彼らが自由に動ける環境を作ることです。

 

当時、それはかなり労力がかかりました。

職場の環境が整ってなくて、私個人が行っていたので。

 

理解者が増え、職場全体で実践できれば

もっと効果的と思います。